勉強のモチベーションが下がったときにやること【実体験】

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「また今日も勉強できなかった」

社会人として資格勉強を続けていると、こんな夜が何度も訪れます。仕事の疲れ、育児の忙しさ、試験までの長い道のり——モチベーションが下がるのは、むしろ当然のことです。

私は社会人から公認会計士試験の勉強を始め、約6年かけて合格しました。フルタイムで勤務しながら子育てもしていたので、「やる気が出ない」という局面は何度も経験しています。

この記事では、そんな私が実際に使ってきた「モチベーションが下がったときの立て直し方」を5つにまとめました。「やる気を出せ」という精神論ではなく、やる気に頼らない設計の話をしたいと思います。


まず知っておきたいこと|モチベーションは「維持するもの」ではない

対処法の前に、一つ前提を共有します。

モチベーションが下がること自体は、異常でも失敗でもありません

心理学では、勉強を続ける動機には2種類あると言われています。

  • 内発的動機づけ:「なぜこの資格を取りたいのか」という自分の内側からくる動機
  • 外発的動機づけ:「不合格が怖い」「周りの目が気になる」など外からくる動機

外発的動機づけは短期的には効きますが、長期間は続きません。例えば公認会計士試験は合格までに2〜3年以上かかることもある試験です。

これほど長い戦いでは、「モチベーションが高い状態をキープする」のではなく、「下がったときにどう立て直すか」を設計しておくことが鍵になります。

以下の5つは、私が実際に使ってきた方法です。


①資格を取った後に何をしたいかを具体化する

モチベーションが下がるとき、多くの場合「なぜ勉強しているのか」が曖昧になっています。

「合格したい」という気持ちだけでは、長い受験生活を支えるには弱いです。必要なのは、合格した後の具体的なイメージです。

たとえば、こんな問いに答えてみてください。

  • 合格後、どんな仕事をしたいか
  • どの会社・事務所で働きたいか、または独立したいか
  • 年収はいくらになっているか
  • 家族や周りの人にどんな変化をもたらしたいか

「なんとなく箔がつくから」という理由で始めた方でも、合格後のビジョンが具体的になるほど、勉強への向き合い方が変わります。これは公認会計士受験生の声でもよく語られていることです。

💬 著者コメント

私の場合、会計を軸にして税務や教育とかけ合わせて仕事がしたいというイメージが具体化した時期から、勉強に対する姿勢が変わった気がしています。「合格したい」から「あの仕事をするために合格する」に変わった感覚です。それまでは漠然と「会計士になりたい」と思っていましたが、具体的なゴールが見えてからの方が、しんどい日でも机に向かえました。

モチベーションが落ちたタイミングで、ぜひ一度「合格後の自分」を紙に書き出してみてください。


②目標になる人・キャリアプランを思い描く

合格後のビジョンと合わせて有効なのが、ロールモデルを持つことです。

「自分にはできないかもしれない」という気持ちが、モチベーション低下の根っこにあることは多いです。そこに「この人もできたなら、自分にもできるかもしれない」という実感が入ると、気持ちが変わります。

ロールモデルを見つける方法

  • 合格者のブログや体験記を読む(社会人合格者・子育て中合格者など自分に近い属性を探す)
  • YouTubeで受験経験者の動画を見る
  • 合格後に働いている人のSNSをフォローする
  • 予備校の合格体験記を読む(CPA会計学院などは毎年公開しています→こちら

キャリアプランの描き方

ロールモデルを参考にしながら、自分のキャリアプランを3ステップで描いてみると整理しやすいです。

  1. 資格取得:いつまでに・どの試験に合格するか
  2. どこで働くか:監査法人・税理士法人・一般企業・独立、どのルートを取るか
  3. 何年後にどうなるか:5年後・10年後の自分の姿

この3ステップを紙に書き出すだけで、「今の勉強がどこにつながるか」が見えやすくなります。

合格後のキャリアについてはこちらの記事も参考にしてください。→公認会計士合格後のキャリア選択|監査法人 vs 税理士法人、どちらを選ぶべきか


③資格を取らなかった場合のキャリアを考える

少し視点を変えた方法もあります。「合格後の未来」ではなく、「合格しなかった場合の未来」を考えるというやり方です。

今の仕事を続けたまま、資格を取らなかったとしたら——5年後、10年後の自分はどうなっているでしょうか。

  • 今の会社でどこまで昇進できるか
  • やりたい仕事ができているか
  • 収入はどうなっているか
  • 将来の選択肢はどれだけ残っているか

この問いに正直に向き合ったとき、「それは嫌だ」と感じるなら、今勉強するしかないという動機が浮かび上がってきます。

💬 著者コメント

私が公認会計士を目指した理由の一つは、公務員のままキャリアを続けた場合の10年後を想像したとき、「それで満足できるか」と思ったことでした。悪い仕事ではないですが、自分がやりたいことと少しずれていました。公認会計士になった場合と比べると、後者の方が圧倒的に面白そうだと感じました。その比較が、しんどい時期の踏ん張りにつながっていたと思います。

ただし一点だけ注意してほしいことがあります。

この方法は「自分を責める」ために使うのではありません。「選択肢を整理する」ために使うものです。「勉強しない自分はダメだ」という自己否定に向かうと逆効果になります。あくまで「どちらの未来を選ぶか」という冷静な選択の話として考えてください。


④マイルストーン管理|小さな目標を積み重ねる

長期試験の受験生が陥りやすい罠があります。「最終合格」だけをゴールに設定してしまうことです。

公認会計士試験であれば最終合格まで数年かかります。その間、合格という達成感は一度も得られません。これがモチベーション低下の大きな原因になります。

解決策は、中間目標(マイルストーン)を細かく設定することです。

社会人受験生向けのマイルストーン例

期間目標の例
今週・今月テキスト第○章を終わらせる、問題集を○周する
スケジュール通りに講義を見る
答練で◯判定をとる
数ヶ月後日商簿記2級に合格する
半年〜1年後日商簿記1級に合格する
1〜2年後短答式試験に合格する
それ以降論文式試験の特定科目で合格水準に達する

社会人受験生の場合、専念受験生と同じスピードで進めるのは難しい場面も多いです。だからこそ、短答合格の前に簿記の資格を一つの節目として置くのは有効な考え方です。「会計士の勉強をする過程で簿記1級も取れた」という事実は、自信にもつながります。

小さな目標を達成するたびに、脳は成功体験を積みます。それが「また次も頑張れる」という内発的な動機づけにつながっていきます。

短答式試験の詳細はこちら→公認会計士試験の概要|試験科目・合格率・勉強時間をわかりやすく解説

💬 著者コメント

私にとって大きかったのは、短答式試験の合格でしたが、それまでにも簿記2級、1級、答練、など日々小さな目標を積み重ねてきました。最終合格ではないですが、「一つクリアした」という感覚は本物でした。それまで何年も積み上げてきたものが形になった瞬間で、論文式試験へ向けて改めてスタートを切れた気がしています。長い試験の場合は特に途中の節目を大切にしてほしいと思います。

「合格一発勝負」と思わず、道中にいくつも小さなゴールを置くことが、長期戦を乗り切るコツです。


⑤勉強するリミットを決める

最後に紹介するのは、少し意外に思われるかもしれない方法です。「いつまで続けるかを決める」ということです。

「絶対に合格するまで続ける」という姿勢は、一見すると強く見えます。しかし実際には、終わりが見えないことがモチベーション低下の原因になることも多いです。

リミットを設定することには、二つの意味があります。

意味①:撤退の基準を持つ

「○年以内に合格できなければ、方向転換を考える」という期限を持つことで、計画的かつ集中した勉強ができます

公認会計士試験の場合、例えば「5年を一つの目安にする」という考え方もあります。既卒で受験専念している場合はこれだと計画として長過ぎますが、仕事や育児などと両立しながらの場合は置かれている状況に応じて長期的な計画を検討することも必要です。私の場合はそんな感じでした。

ただ、これも最初からそういう計画で始めたわけではなく、環境の変化に対応していった結果そうなったということでもあります。最初は計画通りにいかなくてても落ち込まず、見直しや改善できるところを愚直に実行していくことが大切です。

意味②:「今できることをやり切る」という覚悟

育児・介護・仕事の繁忙期など、どうしても勉強時間が取れない時期は誰にでもあります。

そういった環境のときは、無理に続けようとしないことも一つの選択です。ただし、「いつ再開するか」の見込みだけは立てておきましょう。「子どもが幼稚園に入ったら再開する」「繁忙期が終わる○月から戻す」と具体的に決めておくと、勉強から離れている間も方向感を失わずにいられます。

「なんとなく続けている」状態が一番モチベーションを消耗させます。やるならやり切る。できない時期は割り切る。そしてまた戻る。 この繰り返しが、長期試験を乗り越える現実的な姿だと思います。


番外編|即効性のある気分転換

上の5つは「根本から立て直す」アプローチですが、今すぐ気分を変えたいときに有効な方法もあります。

  • 15〜20分の散歩:軽い運動で頭がリセットされ、集中力が戻りやすくなります
  • 勉強場所を変える:カフェ・図書館・コワーキングスペースなど、場所の変化が気分を切り替えてくれます
  • 合格者のブログ・SNSを読む:「自分と似た環境の人が合格した」という事実が、再起動のきっかけになります
  • 1〜3日だけ休む:罪悪感より休息を優先しましょう。休んだ後の「やらないといけない」という感覚が次の動力になることも多いです

まとめ

モチベーションが下がること自体は失敗ではありません。長期試験では必ず起きることです。

大切なのは、下がったときにどう立て直すかを事前に設計しておくことです。

方法ポイント
①合格後を具体化する「何のために」という軸を鮮明にする
②ロールモデルを持つ「自分にもできる」という可能性を実感する
③取らなかった未来を考える選択肢の整理として、逆算の動機を作る
④マイルストーンを設定する小さな成功体験を積み重ねる
⑤リミットを決める終わりを意識することで集中できる

これらは「やる気がある日だけやる」勉強法ではなく、やる気がない日でも動ける仕組みを作る発想です。

一つずつ、自分に合うものから試してみてください。


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