公認会計士に合格したら次にやること②|実務補習所・修了考査・登録までの全体像

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公認会計士試験(論文式)に合格してもこの時点ではまだ「公認会計士」として登録することはできません。

合格後に実務補習・実務経験・修了考査という3つのステップをクリアして、はじめて公認会計士として登録できます。通常は最短でも合格から約3年かかります。

「また試験があるのか」と思うかもしれませんが、全体像を早めに把握しておくと、動き方が変わります。この記事では合格後にやるべきことを順番に整理します。


合格から登録までに必要な3つのこと

ステップ内容期間の目安
① 実務補習所講義受講・単位取得・考査原則3年間(短縮制度あり)
② 実務経験業務補助(監査法人等)3年以上
③ 修了考査最終試験3年目に受験
④ 登録手続き書類提出→審査→登録完了合格後4〜6ヶ月

①と②は並行して進めるのが一般的です。監査法人に入所すれば、日々の業務が実務経験になりながら、実務補習所の講義も受けていく形になります。


実務補習所とは何か

実務補習所(正式名称:日本公認会計士協会 実務補習所)は、公認会計士として必要な知識・技能を習得するための研修機関です。論文式試験合格後に入所し、原則3年間で所定の単位を取得します。

第1学年を「J1」、第2学年を「J2」、第3学年を「J3」と呼び、学年ごとに班分けがされます。後述するディスカッション、ゼミナールなどは班単位で行われます。

講義内容は会計、監査、税務、経営、職業倫理が主な科目ですが、その他に民法、ビジネススキル、経済学なども学習します。

実務補習所の場所は東京、東海、近畿、九州に拠点があり、札幌、仙台、長野、新潟、静岡、金沢、広島、高松に支所があります。

受講スタイル

受講方法スタイルとしては以下のような種類があります。eラーニング講義以外は指定された場所で受講する必要がありますが、受講が必須の講義や必要単位数は決まっているため、すべての対面講義に出席が求められるわけはありません。

監査法人勤務と並行しながら受講している人がほとんどです。eラーニング講義が中心ですので自分のペースでの単位取得が可能です。

  • 通常講義(ライブ講義):教室で実施する講義。支所によってはDVDによる講義の場合もある。
  • eラーニング講義:インターネットを用いて期限内に自身のタイミングで受講
  • ディスカッション、ゼミナール:課題について班内のグループで議論や発表をする
  • 合宿、工場見学:1年目に実施。宿泊を伴いビジネスゲームや実務研修を行う。

上記のほか、以下の単位取得も必要となります。

  • 考査:定期的に実施。不合格だと再試験が必要(再試験の場合は再受験料が発生)
  • 課題論文:指定テーマでレポートを作成・提出。まとまった時間が必要

単位の取得

公認会計士登録には、3年間で合計270単位の取得が必要です。
単位の取得数には、以下のように年ごとの最低取得単位が定められています。また、ディスカッション・ゼミナール、考査、課題論文といった項目毎の最低必要単位数も決まっています。

スケジュールとしては3年間を通じてカリキュラムを修了し、3年目の終わりに修了考査を受験します。年数の経過とともに受講の負担は軽減され、2年目と3年目は出席回数が少なく、eラーニングの受講が主体です。

年数
最低取得単位
期間カリキュラム全体のカバー率
1年目
180単位以上
12月~翌年10月約70%
2年目
40単位以上
11月~翌年10月約20%
3年目
20単位以上
11月~翌年10月約10%

出典:日本公認会計士協会 実務補習所 公式サイトより

💬 著者コメント

「私は1年目のうちにできるだけ多くの単位を取ることを意識していました。2年目・3年目になると監査業務の範囲が広がり、担当クライアントも増えてくる。そうなる前に実務補習の負担を先に減らしておきたかったからです。1年目に集中して単位を取っておくと、後半はかなり楽になります。」

修業年限の短縮制度

ケース条件短縮後の年限
ケースA実務補習開始時点で業務補助等が3年以上ある3年 → 1年
ケースB第2学年開始時点で業務補助等が3年経過3年 → 2年
  • 申請期間:毎年12月1日〜翌年1月15日
  • 合格前から監査法人等で経験を積んでいた方は、短縮の対象になる可能性があります

出典:実務補習所公式サイト「修業年限を短縮する場合」


実務経験について

監査法人に勤務していれば、日々の監査業務がそのまま実務経験として積み上がります。詳細な要件は金融庁の公式サイトをご確認ください。→ 金融庁:公認会計士関連情報

なお、論文式試験合格前の経験も算入できるケースがあります。


修了考査について

項目内容
試験科目会計・監査・税務・経営IT・法規職業倫理(5科目)
試験形式筆記(2日間・計12時間)
実施時期例年12月
合格発表翌年4月頃
合格率近年70%台(2025年度:70.3%)

出典:日本公認会計士協会の公式発表

合格率は近年上昇していますが、しっかり準備しなければ合格できない試験です。修了考査の対策・勉強法については別記事で詳しく解説します。


登録手続きの流れ

時期内容
4月頃修了考査の合格発表
4〜7月書類収集・準備
随時日本公認会計士協会へ書類提出
8月頃〜登録審査会で受理→登録完了

特に入手に時間がかかりやすい書類:

  • 実務補習修了証書の写し
  • 業務補助等の報告書受理番号通知書の写し

💬 著者コメント

「登録手続きは提出書類の多さに驚きます。役所に発行を依頼する書類もあり、すぐに揃うわけではありません。合格発表後は早めに動き始めることをおすすめします。特に『業務補助等の報告書受理番号通知書』は入手に時間がかかった記憶があります。余裕を持って準備してください。」


修了考査は監査法人在籍中に終わらせるべき理由

短答式・論文式を突破したのに、また試験があるのかと思う気持ちはよくわかります。でも、早く終わらせることが正解です。

監査法人では、4年目以降になると転職を検討する人が増えてきます。監査法人に在籍している間は、試験休暇・合格祝金・予備校代の補助など、修了考査を受けやすい環境が整っている場合が多い。その環境があるうちに決着をつけるのが、キャリアの選択肢を広げるうえでも賢明だと思います。


まとめ|合格から登録まで最短3年のロードマップと準備のポイント

  • 合格後、実務補習・実務経験・修了考査の3ステップを経て登録できる
  • 実務補習所はeラーニング中心で仕事との両立は可能。1年目に単位を集中的に取るのが戦略的
  • 修業年限の短縮制度あり。合格前から実務経験がある場合は要確認
  • 合格発表から登録完了まで4〜6ヶ月。書類の準備は早めに
  • 監査法人在籍中に修了考査を終わらせるのが、キャリア上もベスト

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