「公認会計士試験ってどんな試験?」「合格率はどれくらい?勉強時間はどのくらい必要?」
公認会計士試験への興味は持ちつつも、いざ調べようとすると情報量が多くて何から読めばいいかわからない──そんな方も多いと思います。
この記事では、公認会計士試験の基本情報を網羅的に整理しました。試験科目・配点・合格率の推移・必要な勉強時間まで、公式データをもとにわかりやすく解説します。
公認会計士試験とは
公認会計士は、弁護士・医師と並ぶ日本の三大国家資格のひとつです。企業の財務諸表を監査する「監査業務」を独占的に行えるほか、税務・コンサルティング・財務アドバイザリーと幅広い領域で活躍できます。
試験の目的・位置づけ
公認会計士試験は、金融庁・公認会計士監査審査会が実施する国家試験です。試験に合格しても、すぐに「公認会計士」として登録できるわけではありません。合格後は3年以上の実務経験と修了考査(最終試験)への合格が必要です。
これらを経て初めて、日本公認会計士協会に登録し、正式に「公認会計士」を名乗ることができます。
試験の構成(短答式・論文式)
公認会計士試験は2段階で構成されています。
- 短答式試験(マークシート形式):年2回実施(5月、12月)
- 論文式試験(記述式):年1回実施(8月)
短答式試験に合格すると論文式試験の受験資格を得られます。短答式の合格は翌年・翌々年の論文式試験まで有効(再受験免除)です。
短答式試験
| 科目 | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 財務会計論 | 150分 | 200点 |
| 管理会計論 | 75分 | 100点 |
| 監査論 | 50分 | 100点 |
| 企業法 | 50分 | 100点 |
| 合計 | 325分 | 500点 |
合格基準: 総得点の70%以上(350点以上)かつ各科目が満点の40%以上
[参考] 2026年12月の短答式試験から一部英語による出題が導入される予定です。受験をご検討中の方は、公認会計士・監査審査会の公式サイトの受験案内や大手予備校(CPA会計学院・TAC・大原簿記)の公認会計士講座のホームページなどで最新の情報をご確認ください。
論文式試験
| 科目 | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 財務会計論 | 180分 | 150点 |
| 管理会計論 | 120分 | 150点 |
| 監査論 | 120分 | 100点 |
| 企業法 | 120分 | 100点 |
| 租税法 | 120分 | 100点 |
| 選択科目※ | 120分 | 100点 |
| 合計 | 780分(3日間) | 700点 |
※選択科目は「経営学・経済学・民法・統計学」から1科目を選択
※論文式試験の配点は標準偏差を用いた相対評価のため、得点比率が重要
合格基準: 得点比率52%以上(標準偏差を用いた相対評価)
💬 著者コメント
論文式試験の「租税法」は、実務経験と結びつくものが多く、国税専門官の経験がアドバンテージになりました。社会人受験生は「働きながらで不利」と思いがちですが、職種によっては実務経験が武器になります。
受験資格と試験日程
受験資格
公認会計士試験には学歴・年齢・国籍の制限はありません。高校生でも、60代でも、誰でも受験できます。
試験日程(令和8年・2026年)
| 試験区分 | 実施時期 | 合格発表の目安 |
|---|---|---|
| 短答式試験(第Ⅰ回) | 12月上旬 | 翌年1月下旬頃 |
| 短答式試験(第Ⅱ回) | 5月下旬 | 6月中旬頃 |
| 論文式試験 | 8月中旬(3日間) | 11月中旬頃 |
※日程は毎年変動します。受験の際は公認会計士・監査審査会の公式サイトで最新情報をご確認ください。
受験料
19,500円(短答式試験出願時に一括納付)
合格率・合格者数の推移
最終合格率の推移(令和2年〜令和7年)
| 年度 | 願書提出者数 | 最終合格者数 | 最終合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和2年(2020年) | 13,231名 | 1,335名 | 10.1% |
| 令和3年(2021年) | 14,192名 | 1,360名 | 9.6% |
| 令和4年(2022年) | 18,789名 | 1,456名 | 7.7% |
| 令和5年(2023年) | 20,317名 | 1,544名 | 7.6% |
| 令和6年(2024年) | 21,573名 | 1,603名 | 7.4% |
| 令和7年(2025年) | 22,056名 | 1,636名 | 7.4% |
出典:金融庁・公認会計士監査審査会
最終合格率は7〜10%前後で推移しています。願書提出者数が年々増加している一方で合格者数の伸びは限定的なため、近年は合格率が低下傾向にあります。
論文式試験の合格率
短答式を突破して論文式を受験した方の合格率は、34〜37%程度で安定しています。
| 年度 | 論文式受験者数 | 合格者数 | 論文式合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和2年(2020年) | 3,719名 | 1,335名 | 35.9% |
| 令和3年(2021年) | 3,992名 | 1,360名 | 34.1% |
| 令和4年(2022年) | 4,067名 | 1,456名 | 35.8% |
| 令和5年(2023年) | 4,192名 | 1,544名 | 36.8% |
| 令和6年(2024年) | 4,354名 | 1,603名 | 36.8% |
| 令和7年(2025年) | 4,665名 | 1,636名 | 35.1% |
出典:公認会計士・監査審査会「公認会計士試験の合格者調査」
論文式試験は、相対評価で合格者数が概ね決まる仕組みです。受験者数が増えても合格率が大きく崩れないのはこのためです。
合格者の属性(令和7年・2025年)
| 属性 | 数値 |
|---|---|
| 合格者数 | 1,636名 |
| 合格者の平均年齢 | 24.6歳 |
| 最年少合格者 | 16歳 |
| 最年長合格者 | 54歳 |
| 25歳未満の割合 | 62.8% |
| 大学在学中の割合 | 39.9% |
| 女性合格者の割合 | 24.0% |
出典:金融庁「令和7年公認会計士試験の合格発表について」
💬 著者コメント
合格者の平均年齢24.6歳という数字を見ると「社会人には無理では…」と思うかもしれませんが、社会人の方や54歳の方も合格されています。私自身、フルタイムで勤務しながら試験に合格しましたし、私の周りにも社会人合格者はいます。平均値は「多数派の傾向」を示すだけで、あなたの合格可能性とは別の話です。
合格までの勉強時間
一般的な目安
大手予備校(CPA会計学院・TAC・大原簿記)の公表値では、公認会計士試験の合格に必要な総勉強時間の目安は3,500〜5,000時間程度とされています。
| 学習者の区分 | 学習期間の目安 | 必要勉強時間 |
|---|---|---|
| 大学生(学習専念) | 1〜2年 | 3,500〜5,000時間 |
| 社会人(働きながら) | 3〜5年 | 3,500〜5,000時間(同じ) |
必要な総勉強時間自体は変わりません。違うのは「1日に確保できる時間数」です。
学習専念なら1日8〜10時間確保できても、社会人で忙しい方は平日は1日2〜3時間(休日はその分時間多め)が現実的なラインかもしれません。
とはいえ、勉強ができない時期があるとどうしても記憶の定着が進まず勉強の効率が悪くなります。結果的に上記以上の時間がかかってしまう場合もあります。そういう意味で継続がとても重要です。
合格期間の目安
あくまで目安ですので個人差があります。特に社会人の方は置かれている環境が大きく異なりますので一概には言えません。あくまで目安として参考にしてください。
| 学習スタイル | 合格までの目安期間 |
|---|---|
| 学習専念(大学生等) | 1〜2年 |
| 社会人(残業少なめ) | 3〜4年 |
| 社会人(残業多め・育児あり) | 4年以上(個人差大) |
💬 著者コメント
私は合格まで6年かかりました。フルタイム勤務で残業もあり、子育て真っ最中という環境で一時的に撤退せざるを得ない状況も経験しました。「なぜ自分はこんなに時間がかかるのか」と落ち込んだ時期もあります。今振り返ると、「環境の要因が大きかった」と思っています。でも、うまく勉強できない時も、より勉強しやすい環境を模索し続けたこと、愚直に今できることを継続したことで合格の流れができました。時間がかかること=向いていない、ではありません。戦略と環境次第で変わります。
合格後の流れ
試験に合格しても、すぐに「公認会計士」として登録できるわけではありません。
公認会計士になるまでのロードマップ
- 論文式試験に合格
- 実務補習(3年間):監査法人等に勤務しながら、実務補習所の講義・単位を取得する
- 修了考査(最終試験):年1回(12月頃)実施。近年の合格率は70〜80%(過去には50%未満の年もありましたが近年は落ち着いています。)
- 公認会計士登録:日本公認会計士協会に登録し、正式に「公認会計士」として活動開始
- (任意)税理士登録:公認会計士は申請により、税理士試験免除で税理士としても登録可能
※前述のとおり公認会計士登録にあたっては合格後、3年以上の実務経験が必要です。実務経験として認められるかは最終的には金融庁の判断となり、法定監査を行っている監査法人は基本的に満たせると思います。
一方で監査法人以外を選ぶ場合は業務内容によりますので事前に確認した方がよいです。詳細は金融庁のホームページに記載があります。

合格後のキャリアの選択肢
| キャリアパス | 主な仕事内容 |
|---|---|
| 監査法人 | 法定監査、IPO支援、J-SOX対応、IFRS導入支援など |
| FAS(財務アドバイザリー) | M&Aアドバイザリー、デューデリジェンス(DD)、企業価値評価、PMIなど |
| 税理士法人 | 法人税務、相続・事業承継、国際税務、税務コンサルなど |
| 事業会社(経理・財務) | 月次決算、連結決算、開示書類作成、資金調達・キャッシュ管理など |
| 事業会社(経営企画) | 予算策定、中期経営計画立案、M&A戦略・投資判断、KPI管理など |
| 事業会社(内部監査) | 内部統制評価(J-SOX)、内部監査、リスクマネジメントなど |
| 独立・開業 | 会計事務所設立、税理士業務との兼業、コンサルティングなど |
監査法人で経験を積んでから転職するパターンが多いですが、合格直後から税理士法人・FAS・事業会社へ直接入るルートも一般的になっています。
まとめ
この記事でお伝えしたポイントをまとめます。
- 公認会計士試験は短答式(年2回)→ 論文式(年1回)の2段階で構成
- 受験資格は学歴・年齢・国籍を問わず誰でも受験可能
- 最終合格率は7〜10%前後。近年は願書提出者数の増加で低下傾向
- 論文式試験の合格率は35%前後で安定
- 合格に必要な総勉強時間は3,500〜5,000時間が目安。学習専念なら1〜2年、社会人なら3〜5年が現実的
- 合格後は実務補習・修了考査を経て公認会計士登録が完了
- キャリアは監査法人・FAS・税理士法人・事業会社・独立と幅広い
試験の全体像はつかめましたか?
次のステップは「具体的にどう勉強を始めるか」です。社会人として働きながら合格を目指した実体験については、以下の記事をあわせてご覧ください。
→ 子育て・残業ありの社会人が公認会計士に合格した勉強法【実体験】


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