社会人の勉強ルーティンの作り方|1日のタイムスケジュール実例と継続のコツ

整える

「勉強しようとは思っているが、毎日続かない」「仕事が終わると疲れてしまってやる気が出ない」

社会人が資格勉強を続けられない理由の多くは、やる気の問題ではありません。ルーティンの設計が間違っているだけです。

この記事では、残業あり・子育て中という環境で6年かけて公認会計士試験に合格した著者が、実際に使っていたスケジュールと「続けられる仕組み」を解説します。


ルーティン化の前提:まず「続けられる設計」かを確認する

ルーティンを作る前に、土台として確認しておきたいことが3つあります。

睡眠時間は削らない

勉強時間を確保しようとするとき、最初に削りたくなるのが睡眠です。しかし睡眠を削ることは逆効果です。睡眠不足は集中力・記憶の定着・判断力のすべてを低下させます。削れるのは娯楽の時間であって、睡眠ではありません。

6〜7時間前後の睡眠を確保したうえで、残りの時間から勉強時間を捻出する設計が基本です。

「無理なく続けられるか」が最優先

完璧な計画より、続けられる計画の方が確実に合格に近づきます。

週5日×1時間の継続は、週1日×10時間よりはるかに効果的です。記憶の定着は「反復の頻度」によって決まるからです。まず「確実に毎日できる時間」を起点に設計してください。

少しずつ変えていく

「明日から毎朝5時に起きる」という変化は、ほぼ続きません。

15分単位で少しずつ早めていくのが現実的です。今まで7時に起きていた人は、まず6時45分から始める。それが定着したら6時30分へ。段階的な変化が習慣として定着します。


ルーティンの核心:「判断」を排除する

💬 著者コメント

「毎朝『今日は何をしよう』と考えてから始めていた時期は、結局何もできない日が多かったです。その日の気分で科目や教材を選ぶと、どうしても『やりやすいもの』ばかりになる。それに、判断することそのものが頭のリソースを消耗します。前日のうちに翌日やることを決め、使う教材を机に出しておく。それだけで、朝の動き出しが全く変わりました。」

ルーティンが続かない最大の原因は、「毎日何をしようか判断していること」です。判断にはエネルギーが要ります。疲れているときほど「今日はいいや」という判断をしてしまいます。

解決策は、判断をゼロにする設計です。

前日夜の3分準備

翌日に使う教材・問題集を机の上に出しておきます。開くだけで始められる状態を作っておく。これだけで翌朝の行動が変わります。「さあ勉強しよう、では教材はどこだっけ…」という無駄な時間をなくすことが目的です。

曜日と科目を対応づける

複数科目のある試験であれば月曜は財務、火曜は管理会計、水曜は監査論、というように曜日と科目を固定します。その日に「何をやるか」を考える必要がなくなります。

スタートトリガーを作る

「コーヒーを淹れたら勉強を開始する」「電車に乗ったらアプリを開く」というように、勉強の直前の行動と紐づけます。行動が自動的につながるようになると、意志の力がいりません。


朝型勉強をすすめる理由と「昼寝」の活用

なぜ朝型なのか

起床後2〜3時間は、脳のパフォーマンスが最も高い時間帯です。夜は仕事の疲れが蓄積しており、急な残業や付き合いも入りやすい。夜に「今日は疲れたから明日にしよう」が積み重なると、気づけば1週間勉強していなかった、ということになります。

朝であれば、外部からの邪魔が入らない。家族も寝てますしメールなどの連絡も来ないですよね。この点が夜との最大の違いです。

昼休みの昼寝(10分)

午後の集中力を回復させる最も手軽な方法です。昼食後に10分程度昼寝するだけで、午後の頭の切れが変わります。30分を超えると深い眠りに入って逆効果になるため、短時間であることが重要です。

💬 著者コメント

「子どもが小さい頃は、朝5時に起きて勉強していました。大きくなってからはもっと早い時間帯にシフトしましたが。子どもが起きてくる前の時間が唯一の集中タイムで、夜は22時就寝。このやり方であれば適度な睡眠時間と勉強との両立ができました。また、昼休みの昼寝10分も必須で、これをやるかやらないかで午後の仕事の質が変わると感じていました。」


具体的な1日のタイムスケジュール実例

時間帯ごとに「やること」を変える

スケジュールを作る前に理解しておきたいのが、時間帯によって向いている学習内容が異なるということです。

時間帯脳の状態向いている学習内容
早朝(起床後〜2時間)フレッシュ・集中力が高い計算問題・答練・模試(アウトプット)
通勤・移動中受動的なインプット向き動画講義・理論の音声・一問一答
昼休み短時間・食後の眠気あり動画・暗記 + 昼寝
夕方の移動業務後・疲労あり動画・理論(インプット系)
夜(帰宅後)疲労蓄積・集中困難翌日の準備のみ(または休む)

朝に計算・答練をあてて、移動中に動画・理論をインプットするのが基本の考え方です。


【著者の実際のスケジュール①】残業・乳児子育て中のパターン

小さい子ども育児と仕事を両立しながら勉強していた時期の実際のスケジュールです。1日の合計勉強時間は最長約3時間です。

(とはいえこの頃は子どもが夜泣きしたりであまり生活リズムが整わず日によってまちまちでした。子どもの成長に沿ってだんだん整ってきました。)

時間内容
5:00起床・準備
5:30〜7:00勉強(1.5時間) 電卓・答練・模試など計算系のアウトプット
7:00〜始業移動・始業前(約60分) 動画講義・理論系のインプット
12:00〜12:45昼休み 動画・理論(30分)+ 昼寝(10分)+ 食事
18:00〜帰宅移動(約30分) 動画講義・理論系のインプット
19:00〜22:00家事・育児(勉強なし)
22:00就寝
合計約3時間/日

このスケジュールのポイント:

  • 夜は勉強しない:家事・育児を優先し、22時就寝・5時起床で7時間睡眠を確保
  • 朝はアウトプット:脳がフレッシュな時間に計算・答練をあてる
  • 移動中はインプット:動画講義・理論はながら学習と相性がよい
  • 昼寝は10分間を必ず取る:午後の集中力維持のため

「1日5時間確保しなければ合格できない」と思っている方もいるかもしれません。しかし残業あり・子育て中の環境では、3時間確保できれば十分です。それを毎日続けることの方が重要です。


【著者の実際のスケジュール②】残業なし・幼児子育て中のパターン

最終的に公認会計士に合格した時の著者の一日のスケジュールです。これができるようになってから一気に成績が上がり合格まで到達しました。

時間内容
3:00起床・準備
3:30〜7:00勉強(3.5時間)計算系・アウトプット
7:00〜始業移動・始業前(約60分) 動画・理論
12:15〜12:45昼休み(30分)復習・暗記
17:30〜帰宅移動(約30分) 動画講義・理論系のインプット
18:30〜20:30家事・育児(勉強なし)
20:30就寝
合計約5.5時間/日

週次計画の立て方

日曜夜に「翌週やること」を決める

毎週日曜の夜に10〜15分かけて翌週の計画を立てます。科目・範囲・問題数を曜日ごとに決めてしまいます。当日に「何をやろう」と考えないための設計です。

バッファを必ず入れる

計画は70〜80%の量で設計します。残業・子どもの急病・体調不良は必ず来ます。100%で組んだ計画は少し崩れると一気に破綻します。「崩れることを前提にした計画」が長期戦を制します。

週次レビュー(週末15分)

週末に15分だけ振り返りの時間を取ります。

  • 今週できたこと・できなかったこと
  • 翌週に持ち越す内容の調整

完璧に計画通りに進んだ週はほぼありません。毎週の調整を前提に設計することが、年単位の長期戦を続ける鍵です。

「最低ライン」を決める

どんなに忙しくても「15分はやる」という下限を決めます。ゼロの日を作らないことが目的です。15分だけテキストを開く、移動中に動画を1本見る——それだけでも習慣の「火」を消さないことに意味があります。


まとめ

  • 睡眠を削らない・無理なく続けられる・少しずつ変えていくの3つがルーティン化の前提
  • 核心は「判断を排除すること」。前日に教材を机に出す・曜日で科目を固定する・スタートトリガーを作る
  • 朝型が安定して続けやすい。朝はアウトプット(計算・答練)、移動中はインプット(動画・理論)と時間帯で使い分ける
  • 昼寝10〜20分を習慣にすると午後の集中力が変わる
  • 残業あり・子育てありでも1日3時間を毎日続けられる設計を優先する
  • 週次計画はバッファ込みで組む。崩れても「最低ライン(15分)」でつなぐ

働きながら勉強を続けることの難しさは、時間の少なさより毎日続ける仕組みを持っているかどうかにあります。「判断ゼロで動き出せる設計」を一度作れば、あとはそれを実行するだけです。


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