「予備校に通うお金がない」「まずは独学で挑戦してみたい」——公認会計士試験を目指す方の中には、こう考える方も少なくないと思います。
この記事で言う「独学」とは、予備校に入会せず(お金を払って講座を受講せず)に勉強を進めることを指します。中古の予備校テキストをフリマアプリなどで購入して使うこと自体は前提として含みます。
結論から言うと、独学のみでの合格はかなり厳しいというのが実感です。私自身、短答式試験の時期に実際に独学(非入会)で勉強していた経験があります。この記事では、その経験をもとに、独学の現実性と限界を整理します。
使う教材は市販本ではなく、予備校のテキストが無難
独学で使う教材として、書店で買える市販の参考書を検討する方もいると思います。ただ、実際の試験会場で、予備校以外の市販本を使っている受験生を見かけたことはありません。
私自身も受験生時代、市販本を探したことがありますが、これといって決め手になるものは見つけられませんでした。公認会計士試験は範囲が広く専門的なため、市販本だけで対応できるレベルの参考書はほとんど流通していないのが実情です。
独学であっても、教材は予備校が作成したテキストを使う方が無難です。
独学が難しい最大の理由:最新の情報に対応できない
独学が難しい最大の理由は、法改正・出題傾向という「最新の情報」に対応できないことです。これは教材にも、答練(模試)にも共通する問題です。
会計基準・税法は毎年のように改正が入ります。数年前の中古テキストをそのまま使うと、すでに変わってしまった制度を前提に勉強してしまうリスクがあります。
答練も同様です。答練は「今年の試験でどんな論点が問われそうか」という最新の出題傾向を反映して作られています。過去の答練を解いても、今の試験傾向とズレたまま演習を重ねることになりかねません。
💬 著者コメント
実は私自身、最初に入会した予備校では、仕事や家庭が忙しい時期に無理に勉強を始めてしまったこともありますが、それ以上に予備校選び自体を失敗していた面が大きかったと思います。講義を聞いても意味不明な内容が多く、「自分にはこの試験は理解できないのではないか」と絶望していました。それなりの出費もしていた中、そのまま短答式試験も受けましたが、結果はぼろぼろで、合格できる未来がまったく見えませんでした。この経験から「また予備校にお金をかけて、今度こそ合格できるのか」という不安がとても強くなり、いったんCPA会計学院のテキストをメルカリで購入し、独学で様子を見ることにしました。講義を聞かずテキストを読むだけでも、以前とは比較にならないほど理解できたのは驚きでした。振り返ると、独学がうまくいったというより、単に自分に合う教材にようやく出会えただけだったのだと思います。
短答式と論文式で、独学の厳しさは変わる
独学の厳しさは、試験のステージによっても変わります。
短答式試験はマークシート形式で、知識の正確さが問われる比重が大きい試験です。多少情報が古くても、基礎知識をしっかり固めていれば、ある程度は対応できる部分があります。
一方、論文式試験は記述式で、答案を書く力そのものが問われます。答練を通じて「今の合格ラインで求められる答案の書き方」を体で覚えていく必要があり、情報の鮮度がより重要になります。
💬 著者コメント
独学のまま短答式試験に挑み、ぎりぎり合格することができました。ただ、このまま独学を続けて論文式に臨むのは無理だと感じ、論文式の対策からはCPA会計学院に入会し直し、2回目の受験で合格しました。今振り返ると、最初から良い予備校にきちんと入会していれば、遠回りせずに済んだのかもしれません。経済的に許されるのであれば、最初から予備校に入ることをおすすめします。
カリキュラム・スケジュール管理をすべて自分で行う負担
独学のもう一つの負担は、学習計画をすべて自分で組み立てなければならないことです。
予備校のカリキュラムは、限られた期間で全範囲を網羅できるよう、講義の順序・演習のタイミングが緻密に設計されています。独学の場合、この設計を自分で代替する必要があり、「今どの科目にどれだけ時間を割くべきか」という判断そのものが大きな負担になります。
社会人には特に予備校の活用をおすすめする理由
社会人受験生は、ただでさえ勉強に使える時間が限られています。情報収集や学習計画の設計に時間を取られてしまうと、本来最も重要な「理解と定着」に使える時間がその分減ってしまいます。
限られた時間を最大限に活かすという意味で、社会人こそ予備校に入会して効率を優先する方が合理的です。独学で浮く費用と、遠回りによって失う時間を天秤にかけると、多くの場合は入会した方が結果的に近道になります。
それでも独学に近い形で進めたい場合の選択肢
どうしても費用を抑えたい場合、CPAラーニングのような無料学習コンテンツを土台作りに活用する方法もあります。ただし、CPAラーニングが無料でカバーしているのは日商簿記3級〜1級までで、公認会計士試験そのものの内容は含まれていません。あくまで簿記の基礎固めまでと考えてください。
公認会計士試験本体の対策として使える無料コンテンツは限られているのが実情です。基礎固めは無料コンテンツで進めつつ、本格的な試験対策の段階では予備校への入会を検討する、という進め方が現実的です。
まとめ
公認会計士試験を独学(予備校に入会せず)で目指すことについて整理しました。
- 独学が難しい最大の理由は、法改正・出題傾向という「最新の情報」に対応できないこと。教材も答練も同じ問題を抱える
- 短答式はある程度独学でも対応できる可能性があるが、論文式は答練による最新の答案感覚が重要になるため、独学のままでは厳しい
- カリキュラム・スケジュール管理をすべて自分で行う負担も大きい
- 社会人は特に時間の制約が大きいため、予備校に入会して効率を優先する方が合理的
- 費用を抑えたい場合は、CPAラーニングなどの無料コンテンツを基礎固めに活用する方法もある
独学で挑戦したい気持ちはよくわかりますが、特に論文式試験を見据えるなら、早い段階で予備校の活用を検討することをおすすめします。過去の失敗や出費への不安から独学に逃げたくなる気持ちも理解できますが、経済的に許されるのであれば、遠回りをせず最初から予備校に入っておく方が、結果的に近道になることが多いです。
予備校選びについては、公認会計士の予備校はCPA会計学院をおすすめする理由【元受験生の実体験】で詳しく解説しています。

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