監査法人出身者が転職面接で落ちる理由|市場価値を上げるために在職中に積むべき経験【実体験】

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「監査法人で数年経験を積めば、事業会社でもFASでも転職には困らないだろう」「将来のキャリアのために、今のうちにどんな経験を積んでおくべきだろうか」

過酷な公認会計士試験を突破し、監査法人で日々の調書作成に追われていると、つい「ここにいれば市場価値は勝手に上がる」と錯覚してしまいがちです。

しかし、厳しい現実をお伝えします。ただ指示された作業をこなして年数を重ねただけの若手会計士は、優良企業の面接で驚くほどあっさりと落とされます。

この記事では、監査法人を経て事業会社を含む複数回の転職を経験した筆者の実体験をもとに、「なぜ監査法人出身者が面接で落ちるのか」、そして「市場価値を最大化するために、在職中にどんな経験を積むべきか」を具体的に解説します。なお、修了考査合格後のタイミングでキャリアチェンジを考える方も多いため、この記事では入所から3年間のうちに積んでおきたい経験を中心にお伝えします。


監査法人で経験を積んでも、転職の面接であっさり落とされる3つの理由

「公認会計士」という強力な資格と監査経験があるにもかかわらず、転職市場で評価されない(面接で落とされる)層には、明確な3つの共通点があります。

① 経験を「ビジネスの価値」に翻訳(言語化)できていない

最も多いのが、監査法人での経験を「監査の専門用語」のまま語ってしまうケースです。

「〇〇科目の主査をやりました」「調書を期日通りにまとめました」とアピールしても、事業会社の面接官には「で、あなたはウチの会社でどう活躍してくれるの?」という疑問が残ります。「新基準の影響をまとめて提案した(=課題解決力)」「インチャージとして関係者を巻き込んだ(=プロジェクト推進力)」といった、汎用的なビジネススキルに言語化できていないと評価されません。

② 第三者視点の「評論家マインド」が抜けていない

監査の仕事は、クライアントが作った数字を「外からチェックして指摘すること」が基本です。しかし、事業会社が求めているのは「自分たちでゼロから数字を作り、事業を推進する当事者」です。

面接の場で「企業のここがダメだと思います」と外部の評論家のようなスタンスで語ってしまうと、「当事者意識がない」「社内でハレーションを起こしそう」と判断され、即お見送りになります。

③ 受け身(指示待ち・前例踏襲)の姿勢が透けて見える

「前期踏襲で調書を埋めていれば評価される」という環境に染まりきっている人は、面接での受け答えに主体性がありません。

「アサインされたからやりました」というスタンスの候補者より、自ら課題を見つけて動く「プラスアルファの行動実績」がある候補者の方が魅力的に映るのは当然のことです。


市場価値を上げるために、私が意識していた「プラスアルファ」の行動

では、面接で「事業を推進できる当事者」として高く評価されるにはどうすればいいのか。答えは、日々の業務の中で「プラスアルファの実績」を意識的に取りに行くことです。私が実際に監査法人時代に行っていた具体的な行動を年次別にご紹介します。

1〜2年目(スタッフ時代):徹底的に「監査の型」を盗み、本質を理解する

スタッフ時代は、作業者として埋もれないための「能動的な学習と提案」を意識することが重要です。

  • 自身の担当外の調書も一通り読み込む 自分の担当箇所(現預金など)だけを見て満足せず、他科目の調書もくまなく読み、「監査の型」や科目間の繋がりをとにかくスピーディーに学びました。
  • 前年調書を絶対に鵜呑みにしない 「前期と同じ手続きだから」と思考停止せず、必ず会計基準の原文に当たりました。「なぜこの処理が本当に正しいのか」を自分の中で納得感を持てるまで深掘りする癖をつけることで、本質的な理解力が劇的に上がります。
  • クライアントが新制度を導入する際は「自ら影響をまとめて提案」する 新しい会計基準などが導入されるタイミングは大きなチャンスです。自ら基準を調べ上げ、クライアントの会計処理方法や開示への影響を主体的にまとめてチームに共有しました。この姿勢が課題解決力のアピールに繋がります。

3年目にかけて:マネジメントと「クライアントの窓口」を経験する

業務に慣れてきた2〜3年目にかけては、実務能力だけでなく「チームを動かす経験」を意識的に取りに行きました。

  • 小規模案件でも「インチャージ(現場責任者)」を必ず経験する 案件の規模がどんなに小さくても、インチャージを経験しているかどうかは、転職市場において天と地ほどの差になります。採用側はインチャージ経験の有無を「プロジェクト全体を管理し、社外の役職者と折衝できるマネージャー候補か、ただの作業担当者か」を見極める基準にしているからです。すべての情報が自分に集まる窓口業務は、多少無理をしてでも経験しておくべきです。

「転職を見据えた姿勢」は、社内の評価も押し上げる

「転職のための準備ばかりしていると、今の仕事がおろそかになるのでは」と思うかもしれません。

しかし、現実は逆です。日々の業務で課題を見つけ、対応策や工夫を凝らし、結果を出す。この「転職を見据えた積極的な姿勢」は、そのまま社内での高評価に直結します。

社内評価が上がれば、IPO支援やアドバイザリー業務といった「より難易度が高く、市場価値の高い案件」にアサインされるチャンスが増え、結果としてさらに転職市場での価値が上がるという好循環が生まれます。


まとめ:今の自分の「市場価値」はどれくらいか

指示されたことをこなすだけでなく、プラスアルファの視点を持って日々の業務に取り組めば、数年後には驚くほど多くの選択肢を持てるようになります。

  • 経験を「ビジネスの価値」に言語化できているか
  • 評論家ではなく「当事者」として語れるか
  • 指示待ちではなく「プラスアルファの実績」があるか

「いつでも良い条件で転職できる」という自信を持ちながら、社内でも活躍の場を広げていく。これこそが、将来後悔しないための最強のキャリア戦略です。

ただし、①でお伝えした通り、どれだけ良い経験を積んでいても、面接で「伝わる形」に翻訳できなければ評価にはつながりません。この伝え方は自己流で磨くよりも、企業の評価基準を知るプロに相談しながら整理する方が近道です。

「今の自分の経験(インチャージ経験など)は、転職市場でどう評価されるのだろう」「せっかくの経験を面接でうまく伝えられるだろうか」と気になった方は、まずはプロの客観的な評価やアドバイスを聞いてみることをおすすめします。職務経歴書を登録してスカウトを待つだけの「ビズリーチ」や、会計士のキャリアに精通した「REXアドバイザーズ」「マイナビ会計士」などの特化型エージェントを活用し、自分のリアルな市場価値を測りながら、面接での伝え方も相談してみてください。


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