税理士試験とは|科目・合格率・免除制度をわかりやすく解説【2026年版】

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「税理士になりたいけど、試験がどんな仕組みかよくわからない」という方に向けて、税理士試験の全体像をわかりやすく解説します。

科目の構成・受験資格・合格率の現実・免除制度まで、公認会計士でもある著者が実体験をもとにまとめました。


税理士試験とは

税理士試験は、税理士になるために必要な国家試験です。毎年1回、8月に実施されます。

主管は国税審議会(国税庁)で、合格後は日本税理士会連合会への登録を経て税理士として活動できます。

税理士の仕事は、税務申告・税務相談・記帳代行など、個人や法人の税務を専門的に扱うことです。独立開業しやすい資格として知られており、社会人が働きながら取得を目指すケースが多い試験です。


試験科目と合格の仕組み

5科目合格制

税理士試験は11科目の中から5科目を選んで合格するという仕組みです。重要な特徴として、科目合格制が採用されています。

1回の試験で5科目すべてに合格する必要はなく、1科目ずつ合格を積み重ねることができます。合格した科目は生涯有効で、何年かけて5科目を揃えても構いません。

科目の構成

区分科目必須・選択
会計科目簿記論必須
財務諸表論必須
税法科目法人税法選択必須(どちらか1科目)
所得税法選択必須(どちらか1科目)
選択税法相続税法・消費税法・酒税法・住民税・事業税・国税徴収法・固定資産税2科目選択

会計科目の簿記論・財務諸表論は必ず合格する必要があります。税法科目は法人税法か所得税法のどちらかを必ず選び、残り2科目を選択科目の中から選びます。

社会人に人気の組み合わせは「簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法・相続税法」です。

💬 著者コメント

私は公認会計士試験に合格する前に簿記論と財務諸表論の勉強をしていた時期があります。仕事の都合で受験できず、その後公認会計士試験に専念することにしました。結果として公認会計士に合格したため、税理士試験は受験せずに登録できましたが、簿財の勉強は公認会計士試験の財務会計論にも活きました。


受験資格

会計科目(簿記論・財務諸表論)

2023年から受験資格が撤廃され、誰でも受験できます。

高校生・大学1年生・社会人・主婦など、学歴・年齢・職歴に関わらず受験可能です。まず簿財から始めるハードルが大きく下がりました。

税法科目

以下のいずれかを満たす必要があります。

区分条件
学識大学・短大・高専を卒業し、社会科学に属する科目を1単位以上履修
資格日商簿記1級 または 全経簿記上級に合格
職歴会計・税務関連の実務に通算2年以上従事

大学卒業者であれば学部を問わず、社会科学系の単位が1単位以上あれば受験資格を満たします。高卒の場合は簿記1級の取得か、会計事務所などでの実務2年が現実的なルートです。


合格率と難易度の現実

合格率

令和7年度(2025年)の試験結果は以下の通りです(国税庁「税理士試験結果」)。

数値
受験者数36,320人
科目合格者数7,847人
科目合格率21.6%
うち当該年度に5科目の合格を揃えた者(税理士試験合格者)527人

「合格率21.6%」という数字は科目単位の合格率です。5科目目を合格して税理士になった人は527人にとどまります。

平均合格年数

科目合格制のため、5科目を揃えるまでの年数は人によって大きく異なります。

年数
受験専念(最短)3〜4年程度
社会人(働きながら)5〜10年が現実的
平均合格年数約8〜10年

「5年で合格できれば早い方」というのが、試験業界での共通認識です。10年以上かかる方も珍しくありません。

受験者の特徴:公認会計士試験とは大きく異なる

税理士試験と公認会計士試験では、受験者層が大きく異なります。

税理士試験公認会計士試験
最多年齢層26〜30歳(約36%)20代前半の学生が中心
受験者の主体社会人が大多数学生が61.1%(令和7年)
典型的な受験スタイル会計事務所で働きながら数年かけて受験大学在学中に一気に合格を目指す

税理士試験は「社会人が働きながら長期戦で取得する試験」というのが実態です。


勉強時間と勉強方法

科目別の勉強時間目安

科目勉強時間の目安
簿記論400〜1,000時間(初学者ほど多め)
財務諸表論450〜1,000時間(初学者ほど多め)
法人税法・所得税法約700時間
選択科目(各)約150〜300時間
5科目合計約2,500〜6,000時間

※簿財は同時並行学習で合計時間を短縮できますので、同時受験が効率的です。

勉強方法

方法費用目安(5科目)特徴
予備校(通学)80〜100万円TAC・大原が主流。出題傾向の把握がしやすい
通信講座20〜60万円スタディング・アガルートなど。時間の自由度が高い
独学10〜15万円可能だが難易度が高く、合格率はさらに下がる

予備校(TAC・大原)が長年の主流ですが、近年は通信講座の質が上がり、社会人を中心に利用者が増えています。

科目合格制の特性上、1科目ずつ予備校や通信講座を活用しながら受験するパターンが多く、公認会計士試験のように「大学在学中にダブルスクールで一気に突破」というスタイルとは異なります。

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免除制度

試験を受けずに、または科目数を減らして税理士になれる免除制度が3種類あります。

①大学院免除(院免)

大学院で修士論文を書いて学位を取得すると、試験科目の一部が免除されます。

大学院の種類免除される科目数条件
会計系大学院会計科目1科目会計学の単位4単位以上+修士論文
税法系大学院税法科目2科目税法の単位4単位以上+修士論文
両方修了最大3科目上記両方

重要な注意点として、免除を受けるには対象分野の試験を1科目以上自力で合格していることが条件です。「試験ゼロで免除」にはなりません。

活用パターン:

  1. 簿記論を自力合格 → 会計系大学院修了 → 財務諸表論が免除
  2. 法人税法を自力合格 → 税法系大学院修了 → 税法2科目が免除
  3. 自力合格2科目のみで税理士になれる

制度上は3科目(会計1科目+税法2科目)免除が可能ですが、費用も年数もかかるため税法科目免除目的の方がほとんどではないかと思います。なお、この院免制度については「抜け道では」という批判もあり、今後制度が変更される可能性があります。利用を検討する場合は最新情報の確認が必要です。

②国税OB免除

税務署・国税局に一定年数以上勤務した方が対象です。

勤務年数免除される科目
10年以上税法科目(国税に関するもの)が免除
23年以上+指定研修修了会計科目も免除

条件が揃えば、試験なしで税理士登録が可能です。

💬 著者コメント

私が国税専門官として勤務していた時代、長年勤務して国税OBとして税理士登録する先輩方を多く見てきました。10年・23年という年数は決して短くありませんが、税務署での実務経験は税理士としての実力にも直結します。「試験なしで登録」というより「長年の実務が試験の代わりになる」という制度だと思っています。

③公認会計士・弁護士の免除

公認会計士または弁護士の資格を持つ方は、税理士試験が全科目免除になります。

ただし2017年4月以降に公認会計士試験に合格した方は、税理士登録に際して所定の税法研修の修了が必要です。実務補習所のカリキュラムに含まれる税務(税法)に関する講義・考査を修了すればOKです。

💬 著者コメント

私自身、公認会計士として税理士試験の免除を受けて登録しました。試験を免除されたとはいえ、国税専門官時代の実務や公認会計士試験での租税法の学習が基盤になっています。免除はあくまでスタート地点であり、実務では継続的に税法の知識を更新することが求められます。


まとめ

項目内容
試験形式11科目から5科目を選んで合格(科目合格制)
試験時期毎年8月
受験資格簿財は誰でも可・税法科目は学識・資格・職歴が必要
合格率科目単位で約20%前後
平均合格年数約8〜10年(社会人は5〜10年が現実的)
勉強方法予備校・通信講座が主流
免除制度大学院免除・国税OB・公認会計士など

税理士試験は「長期戦の試験」です。科目合格制のため、焦らず1科目ずつ着実に積み重ねることが合格への現実的な道です。

まずは受験資格なしで誰でも受けられる簿記論・財務諸表論から始めるのが、多くの受験者が選ぶスタートラインです。


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