「仕事が終わったら疲れて勉強できない」「時間が足りなくて進まない」――社会人が資格勉強を続けるうえで、多くの人がぶつかる壁です。
この記事では、フルタイム勤務・子育て中という環境で公認会計士試験に合格した経験をもとに、勉強時間を確保するための具体的な方法をお伝えします。
社会人が勉強を続けるうえでの本当の壁
「時間がない」と感じる方は多いのですが、実際には「時間を作り続けること」の方が難しいのです。
たとえば公認会計士試験の場合、合格までに必要な勉強時間は3,500〜5,000時間とされています。1日2〜3時間確保できる社会人であれば、単純計算で3年以上かかる計算になります。
| 1日の勉強時間 | 3,500時間達成までの期間 |
|---|---|
| 2時間 | 約4.8年 |
| 3時間 | 約3.2年 |
| 4時間 | 約2.4年 |
大切なのは「今日だけ頑張る」ではなく、何年も継続できる仕組みを作ることです。
※この試験は反復による記憶の定着が合否を大きく左右します。1日2時間程度では回転量が不足しやすく、1日3時間以上(週20時間以上)の確保が現実的なラインです。
💬 著者コメント
公認会計士試験に挑んだ6年間で、一番難しかったのは「時間を作ること」ではなく「時間を作り続けること」でした。1日数時間の積み上げが何年も続く。これはもはや意志力の問題ではなく、生活設計の問題だと気づいてからアプローチが変わりました。
「時間を探す」前に「環境を整える」
多くの人は「どこかに勉強できる時間が隠れていないか」を探しがちですが、順番が逆です。まず生活の土台を整えることで、勉強時間は自然と生まれてきます。
家事を効率化する
「家事の時間を減らす」ことが、勉強時間を生み出す最も直接的な方法です。
おすすめの時短投資:
| アイテム | 効果 |
|---|---|
| 食洗機 | 食後の片付け時間を毎日15〜20分削減 |
| 乾燥機能付き洗濯機 | 洗濯物を干す・取り込む手間をゼロに |
| ロボット掃除機 | 在宅中の掃除時間をゼロに |
| 自動調理家電(ホットクック等) | 材料を入れてスイッチを押すだけで夕食が完成。調理中に勉強時間が生まれる |
| ミールキット・作り置き | 夕食の献立・仕込みの負荷を大幅に軽減 |
一見「贅沢」に思えるかもしれませんが、合格後の年収向上や将来のキャリアへの投資と考えると十分に元が取れます。
子どもがいる家庭では「ルーティン化」が特に有効です。 子どもに合わせて規則的な生活リズムを作ることで「子どもが寝たら勉強開始」あるいは「子どもと一緒に寝て早起きして勉強する」といった流れを習慣にすることで、日々の「さて、どうしようか」という意思決定もなくなります。
仕事を効率化する
長期間の受験生活において、仕事のパフォーマンスが勉強時間に直結します。 仕事で消耗しきってしまうと、帰宅後に勉強できる体力と気力が残りません。
まず優先すべきは実務を早く身につけること。仕事を素早く・正確にこなせるようになるほど、残業が減り、精神的な余裕が生まれます。
新社会人・異動したての方へ: 職場に慣れていない時期は、無理に勉強と並行しようとせず、いったん仕事に集中することも一つの選択肢です。半年〜1年かけて仕事を安定させてから勉強を再開した方が、結果的にペースが上がることもあります。ただし、この間も少しでもできる範囲で勉強を継続することをおすすめします。
なお、「試験合格を最優先にしたい」という方には、転職や一時的な学習専念という選択肢もあります。ただしリスクも伴うため、年齢・キャリア・家庭の状況を踏まえた慎重な判断が必要です(このテーマは別記事で詳しく扱う予定です)。
スキマ時間を最大限に活かす
まとまった時間が確保できない日でも、スキマ時間を積み重ねることで学習量を維持できます。
活用しやすいスキマ時間の例:
- 通勤の電車・バスの中(往復30〜60分)
- 昼休み(30〜50分)
- 子どもの習い事の待ち時間
- 家事の「ながら時間」(料理中・入浴中に音声を流す)
ポイントは、スキマ時間でできるコンテンツをあらかじめ用意しておくことです。テキストを開いて読む、講義音声を倍速で聴く、暗記カードを1枚確認する――こうした「すぐ始められる小さなタスク」を準備しておくと、空き時間が出たときに迷わず動けます。
また、通信講座であれば講義は1回で全部見ようとしなくても大丈夫です。「今日は15分しかないから講義の途中まで」でも十分です。完璧にこなそうとすると、時間が取れない日に全部スキップしてしまう原因になります。
勉強時間は「朝」がおすすめ
夜の勉強が続かない理由は意志力の問題ではありません。仕事・育児・家事を終えた後の脳と体は、すでに相当消耗しています。
朝が有効な理由:
- 頭がクリアで集中力が高い
- 急な仕事・家族の用事など、外からの割り込みが入りにくい
- 「今日も勉強できた」という達成感が1日のスタートになる
💬 著者コメント
私が最終的に行き着いたのは「夜9時前就寝・朝3時起床」というルーティンでした。朝3時〜6時半の約3時間半を計算・答練に充て、通勤と昼休みで理論系のインプットをする流れです。夜は家事・育児に全力を使い、朝に勉強を全振りする。これだけで毎日5〜6時間の学習時間が安定して確保できるようになりました。詳しいスケジュールはこちらの記事で紹介しています。
何時に起きるかは人それぞれで構いません。まずは「今より30分早く起きて、その時間を勉強に使う」ところから始めてみてください。
長期戦と割り切って「無理しない」
社会人受験において、「最短合格」を目指すことがかえってリスクになる場合があります。
ライフイベントが重なる時期は、勉強時間が確保できないことがあります。 転職・異動・出産・育児・介護・引越し……これらは予測できないこともあり、そのたびに「思うように勉強できない自分」を責める必要はありません。「今はそういう時期」と割り切ることも、長く続けるための大切な技術です。
家族がいる方へ: 短期合格にこだわって家庭のバランスを崩すと、勉強どころではなくなります。パートナーや家族に受験することを伝え、協力を得ること、そして感謝を伝え続けることが、長期戦を乗り越えるうえで意外と重要です。
💬 著者コメント
私は途中で一時的に受験から離れた時期があります。子育てと仕事が重なり、物理的に続けられなかったからです。当時は「また遅れてしまった」と焦りましたが、今振り返ると、無理せず状況が落ち着くのを待ったことは正しい判断でした。「時間がかかること=向いていない」ではありません。やめなければ、いつか合格できます。
まとめ
この記事でお伝えしたポイントをまとめます。
- 勉強時間を「探す」前に、まず家事・仕事の環境を整えることが先決
- 家事の時短投資(食洗機・乾燥機・ミールキットなど)は合格への投資
- スキマ時間は「すぐ始められる小さなタスク」を用意しておくと活きる
- 勉強時間は夜より朝がおすすめ。まずは30分早起きから
- 長期戦を見据えて無理しないこと。家族の協力も長期継続の鍵
- 具体的な勉強ルーティンの作り方は、次の記事で詳しく解説します


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